旗竿地とは?購入前に知っておきたいメリット・デメリットをプロが解説!

建売住宅や土地を探していると、

なんでこんな安いの!?

と思うことはありませんか?

この広さでこの立地、相場よりお得?と思う時がありますよね。

その1つが「旗竿地(はたざおち)」。

旗竿地はどんな土地?

旗竿地とは、その名の通り「竿についた旗のような形の土地」のこと。

敷地(旗の部分)に細長い土地(竿の部分)が加わったもので、この細長い土地が公道に繋がっています。

イメージはこんな感じ!

細長い土地(竿の部分)は宅地から道路まで敷地延長をしているので、敷延(しきえん)とも言います。

都心部に行くほど旗竿地の割合が多くなる傾向です。

土地の値段が高く、区画割が小さくなるので、土地の有効活用として旗竿地が生まれます。

長方形の土地(隣地)と比べると、旗竿地は不整形地に該当し、使い勝手が悪いと言われているので、安くなるわけですね。

ですが、ある条件や使い方を工夫すれば魅力的な土地にもなるんです。

旗竿地のメリット

通常買えない立地が検討の視野に入る

場所によって土地の相場が決まってきます。

都心のような便利な地域、駅近は高く、手が届きにくいことがあります。

旗竿地であれば、より立地の良い物件を手に入れることができることも。

目安としては整形地の7〜8割程度。

仮に3000万円の土地なら2100万円〜2400万円程度になりますね。

この差ってデカくないですか?

家の次に大きな買い物と言われている車が余裕で買えちゃうんですよ。

維持費である固定資産税が安い

固定資産税(場所によっては都市計画税も)は資産を持っていれば継続的にかかるお金です。

固定資産税には評価額というのが存在し、価値が高い(評価が高い)ということは、維持費もかかりますよ!ってことなんですね。

評価額の低い旗竿地は固定資産税や都市計画税も3割程度安くなります

その点、旗竿地は評価額が低くなる代わりに維持費も安くなるというわけです。

静かな環境でプライバシーが確保される

騒音の原因となる道路に建物から離れているため、静かな環境で生活できます。

大通りであるほど、音だけではなく排ガスの影響も少ないため、洗濯物を干しやすいメリット。

奥まった敷地である理由から人通りを気にする必要が減ります。

不特定多数の人の目にさらされるのが嫌な人は安心して生活できますね。

子供の飛び出しリスクが低い

玄関が道路から奥まっているのが旗竿地の特徴で、勢いよく子供が飛び出しても道路まで距離があるため安心です。

大通り沿いだけではなく、閑静な住宅街でも車を飛ばす人もいるのでリスク回避になります。

値段の割に広い土地で車が2台停められることも

旗竿地の竿部分が通路となり、必然的に車を置くスペースになります。

隣の土地の裏に来ることが多いため、通路の長さは10m以上になることが多いです。

車の全長はミニバンのようなファミリーカーでも5mないので2台置けるようになります。

注意点としては縦に2台並ぶ形になるので、後ろの車の出し入れに面倒なくらい。

おしゃれなアプローチ(外構)にしやすい

家に入るときに必ず通る敷地。

道路から家までのアプローチを外構で、おしゃれに設計することができるのは旗竿地の魅力。

人工芝やタイル、カラフルな砂利、車の駐車スペースにかたどったレンガを組み合わせるなど創造するのが楽しいですよ。

旗竿地のデメリット

人目につきにくいので防犯対策が必要

道路から玄関まで細長い通路になるため、住宅地が並んでいると見えにくくなります。

道路から距離が離れていて人の目に触れにくいので、防犯対策はより必要です。

高性能な防犯カメラでなくとも、ダミーカメラや防犯シールでアピールするだけでも抑止効果はあります。

風通し、日当たりが悪くなりやすい

道路から奥まった土地のため、隣地が邪魔して風通しが悪くなりがち。

南面側に隣地がある場合はなるべく距離を離さないと1階の日当たりに影響しますので、事前に状況確認は必要です。

建築費が高くついてしまうことも

資材やコンクリートを家の前まで運ぶ時にトラックが入れないと手作業になります。

最低でも2.7m以上の幅がないと重機が入れません

すると当然手間賃として価格に反映され、割高になることも。

また、道路と玄関までの細長い竿部分の土地は家が建てられないので、外構になります。

土のままにすれば雑草が生え放題、全面コンクリートにすれば費用が高くつきます。

適度に砂利で費用を浮かすことも必要かもしれませんね。

車が停めにくい

細長い通路に人なら余裕で通れるものが車だとギリギリだったりします。

旗竿地は通路部分が2.5m〜4mが一般的。

普通車の車幅は大体1.6m〜1.8mなので両サイドを擦らないか、慎重になるかと思います。

駐車したは良いけど、ドアを開けられないほど狭いと不便でしょうがないですよね。

運転に慣れていない場合は右に寄せすぎたら右側ドアが開かない、左に寄せすぎたら左側ドアが開かないなんてことが起きそうですね。

ただ、マンションの駐車場(特に機械式)よりは停めやすいかと思います。

売却時に売れにくい

あくまで整形地の同じ立地と比較した場合ですが、人気がないんです。

そのため、買う時に価格が安いですが、売る時も価格を下げないと中々売れないなんてこともあり得ます。

将来的に売却を考えているなら、少なからず頭に入れておいた方がよさそうです。

旗竿地でも条件によってはアリ

幅2m未満はやめたほうがいい

断固として言えるのが幅2m未満は安くても買うべきではありません。

使い勝手が悪い云々というより、再建築できないからです。

破格の値段だからといって手をつけたら後悔するかもですよ。

2m以上でも最低2.7m以上ないと重機が入れず、建築費が割高になることも。

幅3m以上4m未満はケースバイケース

僕が住宅営業マン時代に一番多く見受けられたのが、幅3m以上4m未満の旗竿地。

3m前半は車を所有するなら使い勝手が悪いという印象。

駐車するときは助手席側を壁になるべく寄せないと、運転席側のドアを開けづらくなるからです。

車を所有する予定がないなら、あまり気にすることはありません。

幅4m以上なら不自由なく使える

4mあれば車の両サイドのドアを気にすることなく開けられます。

車を停めても普通に脇道を通れるくらいスペースがあるので狭さを感じません。

車は横に2台置くことは難しいですが、初心者やペーパードライバーでも停めやすいと思います。

幅5m以上なら全く問題なし

幅が5m以上なら、車が2台平行に並べることもできちゃうんですね。

普通乗用車では車幅が2m以上の国産車は中々ないはず。(レクサスLXやトヨタランドクルーザーでも2m未満)

もはや旗竿地の不便さが全くないですね。

まとめ

旗竿地は選び方と条件によってお得な買い物になることを感じていただけましたか?

メリットとデメリットを天秤にかけてみてデメリットがメリットを上回れば購入するのは全然ありだと僕は思います。

マイホーム探しのお役に立てれば幸いです。

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