社会人になり、仕事も落ち着いてきて結婚を機に家が手狭になる頃でしょうか。
夢のマイホームを意識し始める時期でもありますね。
僕が住宅営業マン時代、20代のお客さんも意外と多く感じていました。
背景として、銀行からの借り入れ金利が低く、税制の優遇が大きい為、20代で購入のハードルは低くなっているからです。
一昔前は金利が高く、十分に貯金をし、頭金をなるべく投入する方が良いと言われてきました。
その為、30代でも早く、40代でもマイホーム購入は遅くないと言われてきたんです。
実際に僕は社会人2年目の23歳独身の時に家を買いましたが、早く買って良かったと思っています。
当初は頭金がない中、買ったのは勢い面が大部分でしたが、10年近く経った今良かったと感じています。
20代で買って良かったメリット
完済が早く老後の負担を軽減
住宅ローンは基本35年までローンが組めるので、繰り上げ返済をしなくても自然に定年退職まで完済します。
下記は5年ごとの表
25年ローン | 30年ローン | 35年ローン | |
25歳 | 50歳完済 | 55歳完済 | 60歳完済 |
30歳 | 55歳完済 | 60歳完済 | 65歳完済 |
35歳 | 60歳完済 | 65歳完済 | 70歳完済 |
40歳 | 65歳完済 | 70歳完済 | 75歳完済 |
仮に25歳でローンを組んだら遅くても60歳には終わります。
一方で40歳の場合、35年ローンにしてしまうと完済が75歳。
〇〇歳で全額返済したいと考えた時に遅くなるほど毎月の負担額が大きくなるんです。
もしくは、退職金及び年金を切り崩した生活をするか、急いで繰り上げ返済をする必要が出てきます。
何が言いたいかと言うと、早くローンを組むほど老後にかかる負担を減らすことができます。
収入が上がる見込みが高い
一般的な企業のサラリーマンには年収カーブがあり、20代から平均年収が上がり、50代を境に下がっていく統計があります。
つまり、20代の若いうちに購入しておけば、今の年収よりも下がる確率は低いとも言えます。
年収上昇ピークは50代なので、住宅ローン返済中の大部分はカバーできます。
もちろん年功序列ではなく、完全結果主義の会社でしたら必ずしもそうとは言えませんが・・・
ただ、勤続年数が上がるにつれ、スキル、経験値、役職が今と変わらないはずはありませんよね?
無理のない返済計画が立てられる
住宅ローンは満80歳になるまでローンが組めますが、年金を切り崩してまで生活したい人は少ないです。
通常は定年までに住宅ローンの支払いを終える計画が一般的。
将来は70歳が定年になると言われておりますが、現状は60歳定年、65歳くらいまで働く人が多いです。
返済期間が長くなるということは、同じ購入金額でも分散することができるので、余裕を持った返済プランにすることができます。
仮に65歳までに返済し終えると仮定すると、住宅ローンは最長35年。
※フラット50という50年間ローンがありますが長期優良住宅などの条件、及び需要が少ないため割愛します
これが45歳でローンを組むと65歳までに20年間で返済する必要があります。
返済金額比較
<条件>
借入額:3000万円
金利:1%、1.5%(返済期間中は変動なしで計算)
月々支払い(金利1%時) | 月々支払い(金利1.5%時) | |
35年ローン | 84,685円 | 91,855円 |
30年ローン | 96,491円 | 103,536円 |
25年ローン | 113,061円 | 119,980円 |
20年ローン | 137,968円 | 144,763円 |
変動金利では1%を切る金利がありますが、フラット35のような固定金利でも1.5%前後を推移しています。
金利や借入額が増えるほど、期間における返済額に差が出ます。
同じ借入額3000万円、金利1.5%時でも35年ローンと20年ローンで5万円以上も変わってきますね。
生命保険代わりになる
住宅ローンを組むと団体信用生命保険(通称:団信)に入ることになります。
万が一、自分の身に何かあったときに生命保険代わりになり、契約中の生命保険を解約、節約することができます。
特徴の違いは下記。
団信 ⇒ 住宅ローンの残債が免除
団信は残債金額に比例して掛け金も変動するため、「残債が減る=支払い金額(掛け金)が減る」という性質があります。
よくわからない保険に手を出すより、団信は保険金額と支払金額が明確なのでわかりやすいです。
20代で購入する時に気を付けるポイント
最低限の年収と自己資金のハードル
20代だと平均年収が400万円前後の方が多いと思います。
実は年収は400万円以上であると、住宅ローンの審査に通りやすくなります。
フラット35、金融機関では400万円を境界線に返済比率を変えているからです。
年収 | 400万円未満 | 400万円以上 |
---|---|---|
基準 | 30%以下 | 35%以下 |
引用元:住宅金融支援機構(フラット35)
年収400万円と年収399万円のたった1万円の違いで比較すると、
400万円時の上限支払い金額(年間)
400万円×35%=140万円
399万円時の上限支払い金額(年間)
399万円×30%=119.7万円
年収400万円の境目で年間20万円以上、支払い可能額が変わってきます。
月額支払額に比較すると、
400万円時の上限支払い金額(月間)
140万円÷12ヵ月≒11.67万円
399万円時の上限支払い金額(月間)
119.7万円÷12ヵ月≒9.97万円
400万円の境目で月額1.7万円ほど変わってきます。
住宅ローンを上限金額まで借りることを考えていなくても、余裕があるだけで違いますよね。
選択肢の狭さは否めない
購入できる金額の判断は大きく分けて2つ
- 年収
- 自己資金
※その他借金、会社の規模などはその次
まず、年収を基準に住宅ローンが組める金額がわかり、ざっくり目安で年収の6倍と言われています。
次に自己資金は住宅ローン借入可能額を超過した分を賄うイメージです。
年収も自己資金も社会人なりたてから5年前後では少ないはずです。
20代で年収1000万円、自己資金1000万円なんて人いたらよっぽどの大企業かベンチャー企業のイケイケドンドンの会社かと・・・
計画性・将来のリスクヘッジ
若いほど人生が長いので、色んな出来事があります。
マイホーム生活の妨げには、離婚、転職、転勤、リストラ、親との2世帯話などが出てくる可能性も。
実際にマイホーム購入となると、
- 予測でもどれくらいで返済し終わるか
- 将来転勤や親との同居で引っ越しする計画があるか
事前に予測しておくと失敗する確率を減らせます。
不動産会社や金融機関に住宅ローンの相談をすると、無理のない返済プランと言われます。
身の丈にあった融資にし、毎月毎月、返済に追われる生活にならないようにしましょう。
目安としては年収の1/3以下の返済額にすること。
目安で安定的な収入の人、趣味にお金がかかる人など違うので、あくまで目安!
20代におすすめのマイホーム選び
ライフスタイルの変化が多い世代なので、先が読みにくいのが悩みどころ。
ポイントはいざという時に住み替えをしてもリスクを最小限にできること。
マンション
マンションは流通性が高く、人気エリア、駅近物件ほど売買流通頻度が高いです。
戸建て比較すると、賃貸としても出しやすいのが特徴。
中古物件
中古物件においては価格面の恩恵が大きく、新築物件と比較し、売却価格、賃貸価格のハードルが低いことが言えます。
不動産投資家が中古物件を選ぶ理由としては、いかに安く購入をし、高く貸せるかを重視しており、中古物件はうってつけなんですね。
収入合算
若い時ほど収入面で厳しくなりやすいので、結婚済みなら共働きで働ける内に貯金をしておくのがリスク分散に繋がります。
夫婦の収入割合と今後の収入状況と相談しながらローン割合を決めると良いでしょう。
まとめ
完済が早く老後の負担を軽減
収入が上がる見込みが高い
無理のない返済計画が立てられる
20代の早いうちの住宅購入はメリットが大きく、諸条件を満たすなら是非検討することをおすすめします。
僕は20代で購入しましたが、10年経った今でも早く購入して良かったと感じています。
漠然といつかは購入したい!と考えているなら、すぐに行動に起こし検討してみてはいかがでしょうか?
マイホーム購入は人生の中でも大きな決断。中々決めきれない人も多いのではないでしょうか?確かに購入すると後戻りはできませんし、後悔もしたくありませんよね。そこで今回は「マイホームを持ちたいけど、本当に買っても大丈夫なの[…]