最近では「頭金なしでマイホームが手に入る!」という住宅チラシが増えてきました。
その背景は、金利の低下に恩恵を受け、家の買いやすさがあるからです。
でも、先に言っておきます。

なぜなら、今まで貯金ないし、住宅購入のための頭金を貯められなかった事実があるからです。
営業トークで、「諸費用(初期費用)も販売会社側で負担しますよ」と言うこともありますが、それはさらに危険です。
家賃並みで買えても諸費用や継続的にかかるお金が必要
よく家賃並みで買えるという営業トークがありますが、本当に家賃並みなのでしょうか?
確かに金利が超低水準になっているので、同条件(同じエリアで同じ広さ等)で逆転現象が起きているのは事実。
ですが、マイホームを購入すると、
諸費用(購入時にかかるお金)
- 事務手数料
- 不動産取得税(減税制度で軽減)
- 印紙税
- 登録免許税
- 団体信用生命保険
- 仲介手数料
- 引越し費用
継続的にかかるお金
- 固定資産税(都市計画税)
- 火災保険
- 団信(団体信用生命保険)
- 管理費(マンションの場合)
- 修繕費(メンテナンス費用)
ザッとあげましたが、これ以外にも細かいところ(例:町内会費など)でお金がかかったりします。
家を買ったら終わりではなく、住宅ローンが終わっても維持管理費用は所有している限り、かかります。
住宅ローンが払えなくなったら代償が大きい
生活費は最低3ヶ月分はないと、万が一働けなくなったときに大変なことになります。
延滞すると当然ながら延滞利息がかかりますので、余分に払うだけではなく、信用情報も傷つきます。
クレジットカードの支払いの延滞なら猶予がまだありますが、住宅ローンは一発で信用情報が傷つきます。
信用情報が傷つき、いずれブラックリストに・・・

何ヶ月も続き、それでも支払わない場合は、貸し手の銀行側から最悪、競売にかけられてしまうことだってあります。
当然、競売は不動産会社が破格の値段で購入していきますので、消費者の私たちにとっては住宅ローンの残債が残るわけです。
残債分は身の回りのお金になるものは売られていく怖いことが・・・
・・・最悪のケースですので、要は支払っていければここまで発展しません。
子育て世代の場合は自分だけではなく、子供たちに思わぬ出費も発生しやすいです。
「頭金0貯金0というのは怖いですよ!」というのが言いたいですね。
住宅ローンの審査に通っても払える額とはまた別の話
住宅ローンの審査に通るということは、最低限、金融機関が認めたということですが、実際には家庭ごとに違います。
例えば、
- 子供を3人目も考えている
- 公立ではなく、私立に通わせたい
- 今後、親の介護をする必要がある
銀行に伝わっていることですか?
年収や家族状況など、現時点での情報はわかっていても、将来に関することは把握していないはずです。
というよりは、自分たちにとっても将来はわからないことは多いですよね。
ライフステージが進むにつれ、出費がかさむものです。
そのために、
- 今までの毎月の出費を計算(直近でも)
- 購入前と購入後の出費の増減比較(家にまつわる家賃と毎月の住宅ローンなど)
- 今後のライフステージをイメージし、お金がかかる時期に対応できる出費か計算
貯金があるほど安全であるのは間違いありませんが、目先の住宅ローンは余裕を持ち、今後お金がかかる時期に対応できるかが重要。
3つのリスクを見ていきたいと思います。
リスク1 金利が上昇したら支払っていけますか?
固定金利は長期的にみて計画を立てやすいですが、変動金利の場合は余裕がないと破綻してしまいます。
支払額の変動は5年おきに、最大125%の増減がありますが、仮に10万円なら12.5万円になる恐れがあるのです。
その間に収入を上げる、貯蓄をする努力は必要になりますが、余裕なしは正直危険。
リスク2 住宅ローン残債、売却価格
都市部などの人気なエリアでない限り、中古より新築が価値高いのは当たり前です。
住宅を購入し、住んだ時点で中古になります。
資産価値は一般的に20〜30%落ちると言われています。
4000万円の物件であれば3200万円ですね。
住んでいる間も経年劣化していくので年々資産価値が下がり、20年後には0になるのが一般的。
リスク3 精神的な負担
十分な貯金を確保しておかないと、いざ何かあったときに対応できません。
ずっと健康維持でいられると断言できますか?
収入が継続的に入る自信はありますか?
先のことは誰もわかりません。
貯金=余裕につながります。
家を買うなら頭金より貯金を多めに
少しでも利息を減らしたいからと言って、頭金をつぎ込んで生活がカツカツになったら本末転倒です。
頭金が多いに越したことはありませんが、あとで余裕ができたときに繰り上げ返済をする方が賢いです。
頭金なし、貯金なしでの購入は極めて危険ですので、営業にまどわされずに目先の安全性だけでも確保するのが先決です。
最低でも3ヶ月分の生活費は確保した上で、はじめて住宅購入の土台に乗ると考えておくと良いです。
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